ローファー 種類

コインローファーでコインを挟むのはなぜ?理由と意味を解説

コインローファーでコインを挟むのはなぜ?

街でおしゃれな人が履いているコインローファー。

その甲の部分にある切れ込みに、ふと「なぜコインを挟むのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。この小さな習慣には、実は歴史的な背景や深い意味が隠されています。

この記事では、コインローファーでコインを挟むのはなぜか、という疑問に徹底的にお答えします。

コインローファーが持つ本来の意味から、メンズやレディースでの着こなし方、さらにはペニーローファーのレディースモデルの魅力まで幅広く解説。

ビットローファーやタッセルローファーとの違いを比較することで、それぞれのローファーの個性も明確になります。

また、「コインローファーはダサいのでは?」という不安を解消し、ローファーのコインポケットの本当の役割や、コインローファーの英語での呼び方など、知っていると少し自慢できる豆知識まで網羅しています。

ローファー選びで後悔しないための、決定版ガイドです。

この記事のポイント

  • コインローファーでコインを挟む歴史的な理由や意味がわかる
  • メンズ・レディース別のおしゃれなローファーの選び方がわかる
  • ビットやタッセルなど他のローファーとの明確な違いがわかる
  • ローファーに関する「ダサい」「マナー違反」などの疑問が解消される

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?その由来と意味

    • コインを挟む意味と理由についての諸説
    • ローファーの穴とコインポケットの役割
    • なぜ「怠け者」という意味ですか?
    • コインローファーの英語での呼び方
    • おしゃれなペニーローファーレディースコーデ

    コインを挟む意味と理由についての諸説

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?
    G.H.BASS公式サイトより引用

    コインローファーのサドル部分にコインを挟む習慣には、単なるデザイン性を超えた、いくつかの興味深い説が存在します。これらは、この靴が流行した時代の文化やライフスタイルを色濃く反映しているのです。

    最も広く知られている説は、1950年代のアメリカの学生たちに由来するものです。

    当時、緊急時に公衆電話をかけるために必要だった2セント硬貨(ペニー硬貨2枚)を、いつでも使えるように靴に挟んでいたという実用的な理由が挙げられます。電話代が1セントだった時代から2セントになったという時代背景が、この説に信憑性を持たせています。

    また、別の説として「ラッキーペニー」のお守りとしての役割があります。

    アメリカには、道端で拾ったペニー硬貨、特にリンカーンの肖像が上を向いているものは幸運をもたらすという言い伝えが存在します。

    この幸運のコインをお守りとしてローファーに挟むことが、アイビーリーグの学生たちの間で流行したと考えられているのです。自分の生まれ年のコインを持つと幸運が訪れるというジンクスもあり、個人的な願いを込めてコインを携帯する手段として活用されました。

    これらの説からわかるように、コインローファーにコインを挟む行為は、単なるファッションではなく、当時の若者たちの実用的な知恵や、幸運を願う気持ちが込められた、文化的な習慣であったと言えます。

    ローファーの穴とコインポケットの役割

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?
    G.H.BASS公式サイトより引用

    ローファーの甲の部分に見られる半月状の切り込み(スリット)が入った革パーツは、「サドル」と呼ばれます。そして、このサドルにある穴こそが、コインローファーやペニーローファーという名前の由来となった象徴的なディテールです。

    この穴の本来の役割は、甲革とベルト状のサドルを縫い合わせる際の補強点であったと考えられています。デザインのアクセントとしてだけでなく、靴の構造を支えるための機能的な部分だったのです。

    しかし、前述の通り、アメリカの学生たちがこの穴にコインを挟み始めたことから、次第に「コインポケット」としての二次的な役割を担うようになりました。

    つまり、設計当初はコインを入れることを想定していなかった穴が、使用者たちのユニークな発想によって新しい価値を持つようになったのです。このスリットの形状が、偶然にも当時の1セント硬貨(ペニー)をぴったりと保持するのに適していたことも、この文化が広まる一因となりました。

    現代においては、実際にコインを挟む人は少なくなりましたが、この穴はデザインのアイコンとして確立されています。ローファーの歴史と、それを愛用してきた人々の遊び心を物語る、重要なデザイン要素であり続けているのです。

    なぜ「怠け者」という意味ですか?

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?

    「ローファー(Loafer)」という言葉は、英語で「怠け者」や「のらくら者」といった意味を持ちます。

    一見すると靴の名前にしては少し意外に感じられるかもしれませんが、これにはローファーの持つ最大の特徴が関係しています。

    ローファーは、靴紐を結んだり解いたりする必要がなく、足を滑り込ませるだけで簡単に着脱できるスリッポン形式の靴です。

    この「手間いらず」で「楽に履ける」という点が、「怠けることができる」というイメージに繋がり、「ローファー」という名が付けられたとされています。

    この靴がファッションアイテムとして登場した1930年代当時、革靴といえば靴紐で編み上げるタイプが主流でした。

    そのような時代において、紐なしで気軽に履けるローファーは画期的な存在であり、そのリラックスしたスタイルが「怠け者」という愛称で呼ばれるようになったのです。

    しかし、この名称は決して否定的な意味合いで使われているわけではありません。むしろ、適度な抜け感やリラックスした雰囲気といった、ローファーならではの魅力を的確に表現した、ユニークで親しみやすいネーミングと言えるでしょう。

    コインローファーの英語での呼び方

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?
    Jalan Sriwijayaサイトより引用

    日本で「コインローファー」として親しまれているこの靴は、英語圏では主に「ペニーローファー(Penny Loafer)」と呼ばれます。

    これは、甲のサドル部分に1セント硬貨である「ペニー(Penny)」を挟む習慣がアメリカで流行したことに直接由来する、最も一般的な名称です。

    もともと、このスタイルの靴を1936年に初めて商品化したアメリカのG.H.BASS社は、ノルウェーの靴に着想を得たことから「ウィージャンズ(Weejuns)」という商品名で発売しました。

    「ノルウェーの」という意味の「Norwegian」を短縮した愛称です。今でもG.H.BASS社のローファーはウィージャンズと呼ばれ、ブランドのアイコンとして認識されています。

    したがって、英語で会話する際には「ペニーローファー」という表現を用いるのが最も正確に伝わります。

    また、靴の歴史や特定のブランドについて話す文脈では、「ウィージャンズ」という言葉も使われます。「コインローファー」という呼び方は、どちらかというと日本で定着した和製英語に近い表現と捉えておくとよいでしょう。

    おしゃれなペニーローファーレディースコーデ

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?

    ペニーローファーは、メンズライクなアイテムでありながら、レディースファッションにおいても非常に優秀な一足です。コーディネートに取り入れることで、足元から着こなしを知的に引き締め、洗練された印象を与えてくれます。

    クラシックなトラッドスタイル

    ペニーローファーの原点とも言えるのが、アイビースタイルやプレッピースタイルです。例えば、ブレザーにチノパンやプリーツスカートを合わせ、足元にペニーローファーを持ってくるだけで、品の良い優等生風のコーディネートが完成します。靴下は、シンプルな白やネイビーのソックスを合わせるのが定番です。

    カジュアルなデニムスタイル

    普段のカジュアルスタイルを格上げしたいときにも、ペニーローファーは活躍します。色落ちしたジーンズやカットオフデニムに素足でローファーを合わせると、ラフさの中にきちんと感が生まれ、こなれた大人のカジュアルを演出できます。春や夏には、ボーダーのカットソーなどを合わせると爽やかな印象になります。

    フェミニンなスタイルの引き締め役に

    ワンピースやフレアスカートといったフェミニンなアイテムに、あえてペニーローファーを合わせるのもおすすめです。甘くなりがちなコーディネートを足元のローファーが程よく引き締め、全体のバランスを整えてくれます。甘辛ミックスのスタイルは、おしゃれ上級者のテクニックとしてぜひ試してみてください。

    このように、ペニーローファーは合わせるアイテム次第で多様な表情を見せてくれます。一足持っているだけで、コーディネートの幅がぐっと広がる便利なアイテムです。

    コインを挟むのはなぜ?ローファーの種類と着こなしの疑問

    • ビットやタッセルローファーとの違い
    • メンズとレディースそれぞれの魅力
    • コインローファーはダサいという評価の真相
    • ローファーがダメな理由はTPOにある
    • 総括:コインローファーでコインを挟むのはなぜか

    ビットやタッセルローファーとの違い

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?

    ローファーには、定番のコインローファー以外にも、代表的なデザインがいくつか存在します。ここでは、特に人気の高い「ビットローファー」と「タッセルローファー」を取り上げ、コインローファーとの違いを解説します。

    種類特徴由来・歴史主な着用シーン
    コインローファー甲にスリット入りのサドルノルウェーの作業靴が起源、米学生に流行カジュアル、ビジネスカジュアル、通学
    ビットローファー馬具を模した金具(ビット)飾り1950年代にイタリアの高級ブランドが発祥ドレッシー、ジャケパンスタイル、パーティー
    タッセルローファー房飾り(タッセル)付き1950年代にアメリカの俳優からの特注がきっかけアイビースタイル、ドレッシーカジュアル、弁護士の靴とも

    コインローファー(ペニーローファー)

    前述の通り、甲のサドルに特徴がある最もベーシックなデザインです。学生靴のイメージからカジュアルでスポーティーな印象が強いですが、デザインによってはビジネスシーンにも対応できる汎用性の高さが魅力です。

    ビットローファー

    甲の部分に馬具の「ハミ(ビット)」を模した金属飾りが付いているのが最大の特徴です。この飾りによって、他のローファーにはない華やかさと高級感が生まれます。イタリアの高級ファッションブランドが起源とされており、エレガントでドレッシーな印象を与えるため、ジャケパンスタイルやパーティーシーンによく似合います。

    タッセルローファー

    甲に「タッセル」と呼ばれる革製の房飾りが付いたデザインです。もともとはアメリカでオーダーメイドされた靴が始まりとされ、弁護士などの知識層に好まれたことから「弁護士の靴」とも呼ばれ、知的でクラシックな雰囲気を持っています。コインローファーよりもドレッシーで、ビットローファーよりは落ち着いた印象を与え、アイビースタイルの定番アイテムとしても知られています。

    要するに、これら3つのローファーは甲の飾りがデザインの決め手となっています。シンプルで汎用性の高いコインローファー、華やかでドレッシーなビットローファー、知的でクラシックなタッセルローファーと、それぞれの特性を理解することで、自分のスタイルや目的に合った一足を選ぶことができるようになります。

    メンズとレディースそれぞれの魅力

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?

    ローファーは性別を問わず愛されるユニセックスなアイテムですが、メンズとレディースではその見せ方や魅力に少し違いがあります。

    メンズにおける魅力

    メンズファッションにおいて、ローファーは「こなれ感」や「抜け感」を演出するための重要なアイテムです。

    スーツスタイルにあえてローファーを合わせることで堅苦しさを和らげたり、休日のジャケパンスタイルを上品にまとめたりと、コーディネートに幅と奥行きを与えてくれます。

    特に、素足履きやカラーソックスとの組み合わせで個性を表現できる点は、男性のおしゃれの楽しみを広げてくれるでしょう。素材や作りにこだわった本格的なローファーを選ぶことで、大人の男性にふさわしい品格と知性を足元から漂わせることが可能です。

    レディースにおける魅力

    一方、レディースファッションでは、ローファーはコーディネートの「引き締め役」や「ハズし」のアイテムとして非常に有効です。フェミニンなスカートやワンピースに合わせれば、甘さを抑えて全体をマニッシュで洗練された印象に導きます。

    また、パンツスタイルに合わせれば、スニーカーよりもきちんと感が出て、パンプスよりも気取らない、絶妙なバランスのスタイリングが完成します。

    メンズライクなアイテムだからこそ、女性が履くことで逆におしゃれなギャップが生まれ、着こなしのセンスを感じさせることができるのです。

    このように、メンズではコーディネートにリラックス感と品格を加え、レディースでは全体の印象を引き締め、スタイリングに深みを与えるという、それぞれの魅力があります。

    コインローファーはダサいという評価の真相

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?

    「コインローファーは学生っぽくてダサい」という声を聞くことがありますが、これは大きな誤解です。この評価は、ローファーの選び方や着こなし方を間違えている場合に生じることがほとんどです。

    ローファーが学生靴のイメージと強く結びついているのは事実ですが、それはあくまでローファーが持つ側面の一つに過ぎません。大人が履くべきローファーは、学生が履くものとは素材の質やフォルムの美しさが全く異なります。

    例えば、光沢の美しい上質なレザーを使用したものや、シルエットがシャープで洗練されたデザインのものを選べば、学生っぽさは払拭され、むしろ大人の品格を演出できます。

    また、コーディネートも重要です。制服のようなブレザースタイルに固執するのではなく、きれいめのスラックスやトレンドのワイドパンツ、ロングスカートなど、現代的なアイテムと組み合わせることで、ローファーは一気にあか抜けた印象になります。

    足元だけが浮いてしまわないよう、全体のバランスを考えることが鍵となります。

    つまり、コインローファーがダサいのではなく、「学生靴のような安価なローファー」や「時代遅れのコーディネート」がダサい印象を与えているのです。

    質の良い一足を選び、現代的な着こなしを心がければ、コインローファーは年齢を問わず使える、非常にスタイリッシュなアイテムと言えます。

    ローファーがダメな理由はTPOにある

    コインローファーでコインを挟むのはなぜ?

    ローファーは非常に便利な靴ですが、万能というわけではありません。特定の場面では、ローファーを履くことがマナー違反と見なされる可能性があるため注意が必要です。ローファーがダメと言われる理由は、靴そのものではなく、着用するTPO(時、場所、目的)にあります。

    避けるべきフォーマルな場面

    ローファーの語源が「怠け者」であることからも分かる通り、この靴は本来カジュアルでリラックスした履物と位置づけられています。そのため、高いフォーマル度が求められる場面には適していません。

    具体的には、以下のようなシーンでは着用を避けるのが賢明です。

    • 冠婚葬祭: 特に格式の高い結婚式や披露宴、そしてお葬式などの弔事では、紐付きのフォーマルな革靴が基本です。ローファーはカジュアルすぎるため、マナー違反と受け取られる可能性が非常に高いです。
    • 厳格なビジネスシーン: 重要な商談や式典、あるいは企業のドレスコードで明確に禁止されている場合は、着用を控えるべきです。

    # ローファーが活躍する場面

    一方で、近年のファッションのカジュアル化に伴い、ローファーが許容される場面は広がっています。

    クールビズやオフィスカジュアルが導入されている職場であれば、ビジネスカジュアルのアイテムとして問題なく着用できます。

    また、レストランでの食事やパーティーなど、少しおしゃれをしたいけれど、フォーマルすぎるのは避けたいという場面では、まさに最適な一足と言えるでしょう。

    要するに、ローファーを履く際は、その場にふさわしいかどうかを一度立ち止まって考えることが大切です。TPOを正しく理解し、適切に使い分けることで、ローファーはあなたのファッションをより豊かにしてくれるはずです。

    総括:コインローファーでコインを挟むのはなぜか

    この記事では、「コインローファーでコインを挟むのはなぜか」という疑問を中心に、ローファーにまつわる様々な情報をお届けしました。最後に、本記事の要点を箇条書きでまとめます。

    • コインを挟むのは1950年代のアメリカの学生文化が起源
    • 主な理由はお守りとしての「ラッキーペニー」説
    • もう一つの理由は緊急時の公衆電話代という実用的な説
    • 甲の穴は元々補強目的だったが後にコインポケットとして定着
    • ローファーの語源は「怠け者」で着脱のしやすさに由来
    • 英語では「ペニーローファー」と呼ぶのが一般的
    • コインローファーは選び方と着こなし次第で全くダサくない
    • レディースコーデでは着こなしの引き締め役として活躍
    • ビットローファーは金具付きで華やかな印象
    • タッセルローファーは房飾り付きで知的な印象
    • ローファーの種類は甲の飾りで見分ける
    • メンズファッションでは「抜け感」を演出するのに最適
    • ローファーがダメな理由はTPOをわきまえていない場合
    • 結婚式やお葬式など高いフォーマル度が求められる場ではNG
    • ビジネスカジュアルや普段使いでは非常に便利なアイテム

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