
こんにちは。レザーソールズ:ローファー・革靴・スリッポン選び方ガイドです。
高校生活の新しい相棒となるローファー選び、ワクワクする反面で少し不安もありますよね。
「高校生用のローファーはどこで買うのが一番いいのか」「安いお店やおすすめのブランドはどこなのか」と迷ってしまうことも多いはずです。
特に初めて革靴を履く場合はサイズ選びや痛くないかどうかも気になりますし、女子ならヒールの高さや茶色などの色選び、男子ならスニーカーのような履き心地のものが良いといった希望もあるでしょう。
スニーカーとは勝手が違う革靴の世界では、買う場所や選び方を間違えると、入学早々「足が痛くて学校に行きたくない」なんてことになりかねません。
この記事では、そんな皆さんの疑問に寄り添いながら、3年間快適に過ごせる最適な一足を見つけるお手伝いをします。
高校生のローファーはどこで買うのが正解か

「とりあえず近所の靴屋さんに行けばいいかな?」と思っている方も多いかもしれませんが、実はどこで買うかによって取り扱っている種類、価格帯、そして受けられるサービスが大きく異なります。
自分の足の形や予算、そして「どれくらい長く履く予定か」によって、ベストな購入場所は変わってくるのです。ここでは、代表的な購入場所である靴専門店、スーパー、ネット通販、百貨店それぞれの特徴と、どんな人に合っているかをご紹介しますね。
ABCマートなどの靴専門店で買う
まず真っ先に思い浮かぶのが、ABCマートやシュープラザ、東京靴流通センターといった、全国に展開する大手の靴専門店ではないでしょうか。
ショッピングモールや駅ビルに入っていることが多く、学校帰りや週末に家族で気軽に立ち寄れるのが最大の魅力です。専門店ならではの強みと、賢い利用方法について深掘りしていきましょう。
実店舗ならではの「比較検討」ができる強み
専門店で買う最大のメリットは、なんといっても「実際に試着して、その場でメーカーごとの履き心地を比較できる」という点です。
例えば、業界最大手のABCマートでは、自社プライベートブランドである「Hawkins(ホーキンス)」と、学生靴の絶対的定番である「HARUTA(ハルタ)」の両方を主力商品として陳列しています。
この2つを履き比べられるのは非常に大きな意味があります。ホーキンスはスニーカーの技術を応用したクッション性の高さや軽量性が売りで、価格も比較的リーズナブルです。
一方、ハルタは昔ながらのしっかりとした革靴の作りで、型崩れしにくく、足元が引き締まって見えます。「柔らかさ重視」か「スタイルと耐久性重視」か、実際に足を入れてみることで、自分でも気づかなかった好みを発見できるはずです。
店員さんを味方につける
初めてローファーを買う場合、自分だけでサイズを判断するのは危険です。専門店には靴の知識を持ったスタッフさんがいますので、恥ずかしがらずに「通学用のローファーを探しているんですが、サイズを測ってもらえますか?」と声をかけてみましょう。
特に、チヨダグループ(シュープラザなど)では、「フィッティング」に力を入れている店舗も多く、足の「長さ」だけでなく「幅(ワイズ)」や「甲の高さ」まで考慮した提案をしてくれます。
また、チヨダグループ独自のブランド「CEDAR CREST(セダークレスト)」も見逃せません。
なんと「洗濯機で丸洗いできるローファー」や、スニーカーの中敷きを入れたような「やわらかローファー」など、学生のリアルな悩みを解決する機能性シューズが充実しています。
購入のアドバイス
週末や夕方のショッピングモール内の店舗は非常に混雑し、店員さんを捕まえるのが難しいことがあります。もし可能なら、平日の夕方早い時間帯や、土日の開店直後などを狙うと、ゆっくりと計測や相談に乗ってもらえますよ。
イオンで安い価格の商品を探す

次に紹介するのは、イオンやイトーヨーカドー、アピタなどの総合スーパー(GMS)です。「靴は専門店で買うもの」というイメージがあるかもしれませんが、実はスーパーの靴売り場は、「コスパ」と「利便性」において最強の選択肢となり得ます。
圧倒的なコストパフォーマンス
スーパーで購入することの最大のメリットは、その価格設定です。特にイオンのプライベートブランド「トップバリュ」などのフォーマルシューズは、市場の中でも群を抜いて安い価格帯(2,000円〜3,000円台)で販売されています。
有名メーカーのローファーが5,000円〜7,000円程度することを考えると、半額以下で手に入ることになります。
「安かろう悪かろうじゃないの?」と心配になるかもしれませんが、最近のGMS系ブランドの品質は侮れません。
毎日の通学に耐えうる最低限の耐久性は確保されていますし、何より軽量で幅広(3E相当)に作られていることが多く、履き心地も悪くありません。
「つなぎ」としての賢い活用法
この価格帯のローファーは、以下のようなシチュエーションで絶大な威力を発揮します。
- 成長期の男子学生: 入学時に買った靴が、夏休み明けにはもうキツイ…なんてことは日常茶飯事です。数ヶ月でサイズアウトする可能性がある時期に、高価な革靴を買うのは家計へのダメージが大きいですよね。足のサイズが安定するまでの「つなぎ」として割り切って活用するのに最適です。
- 予備の靴(サブシューズ): 梅雨の時期など、靴が濡れて翌朝までに乾かないことがあります。そんな時のために、メインの靴とは別に「雨の日用」や「予備」として一足持っておくのにも、この価格なら手が出しやすいでしょう。
- 履きつぶし前提: 運動部で部活の荷物が重かったり、自転車通学でつま先を擦りやすかったりと、靴の消耗が激しい場合も、気兼ねなく履き替えられる価格は魅力です。
また、食料品の買い出しついでに親子で見に行けるので、「わざわざ靴屋に行く時間がない」「子供が買い物を嫌がる」といったご家庭でも、サッと試着して購入できる気軽さは、忙しい現代人にとって大きなメリットと言えるでしょう。
通販サイトならサイズ交換も可能
「ネットで靴を買うのはサイズが合わなかった時が怖い」「返品手続きが面倒くさそう」…そんな風に思っていませんか?
実は今、ローファー選びにおいてネット通販、特にECプラットフォームは、実店舗以上の利便性を提供する強力なツールへと進化しています。
「在庫切れ」の概念がない世界
実店舗でよくあるのが、「気に入ったデザインの23.5cmだけ売り切れている」「28.0cm以上のサイズは取り寄せになる」「幅広の4Eモデルが置いていない」といった在庫の問題です。
せっかくお店まで行ったのに手ぶらで帰るのは悲しいですよね。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手ECサイトなら、日本中の在庫から検索できるため、サイズ欠けの心配がほぼありません。
特に、足のサイズが21.5cmなどのスモールサイズや、26.0cm以上のクイーンサイズ(レディース)、あるいは幅が極端に広い・狭いといった特徴を持つ足の方にとって、ネット通販はまさに救世主です。
自宅が「最高の試着室」になるAmazonのサービス
私が個人的に最もおすすめしたいのが、Amazonの「Prime Try Before You Buy(プライム・トライ・ビフォー・ユー・バイ)」というサービスです。
これはAmazonプライム会員限定のサービスですが、対象の商品(靴や服)を最大4点まで取り寄せ、自宅で7日間試着し、購入するものだけ代金を支払い、残りは返送できるという画期的なシステムです。
このサービスの何が凄いかというと、以下のような買い方ができる点です。
- サイズ違いを取り寄せる: 例えば「23.5cm」と「24.0cm」の両方を注文し、履き比べて合う方だけを買う。
- ワイズ違いを試す: 同じ24.0cmでも、「2E(標準)」と「3E(幅広)」を取り寄せてフィット感を確認する。
- ブランド比較をする: ハルタとテクシーリュクスを両方取り寄せて、履き心地や重さを比較する。
自宅であれば、夕方の足がむくんだ時間帯にゆっくり試着できますし、実際に通学で履く予定の厚手のスクールソックスを合わせて確認することも簡単です。
店員さんの視線を気にせず、納得いくまで家の中を歩き回れるので、結果的に店舗で買うよりも「失敗のないサイズ選び」ができるのです。返送用の伝票も同梱されており、着払いで送り返すだけなので追加費用もかかりません。
人気ブランドのハルタ取扱店
「みんなと同じものがいい」「学校指定に近い、間違いのないものが欲しい」という場合、選択肢の中心になるのは間違いなく「HARUTA(ハルタ)」です。
大正時代から続く日本の老舗メーカーであり、学生靴のシェアNo.1を誇るブランドです。
なぜこれほどまでにハルタが選ばれるのか
ハルタのローファーが支持される理由は、単なる知名度だけではありません。「日本人の足を知り尽くした木型(ラスト)」と「圧倒的な耐久性」にあります。
多くのモデルが日本国内の工場で生産されており(Made in Japan)、品質管理が徹底されています。3年間毎日履いても型崩れしにくく、ヒール交換などの修理対応(モデルによる)もしっかりしているため、親御さんからの信頼が非常に厚いのです。
購入場所の選択肢と注意点
ハルタのローファーは流通網が広く、先ほど紹介したABCマートなどの靴専門店、百貨店、地域の靴屋さん、そして各種ネット通販と、比較的どこでも手に入りやすいのが特徴です。
しかし、購入時に注意したいのが「ワイズ(足幅)の展開」です。
ハルタには、同じような見た目のローファーでも、足幅の広さが異なるモデルが存在します。
- 2Eモデル(標準): 足幅が普通〜やや細めの人向け。すっきりとしたシルエット。
- 3Eモデル(幅広): 甲高・幅広の傾向が強い日本人の足に合わせたゆったり設計。多くの学生さんはこちらの方が楽に履けることが多いです。
店舗によっては「2Eしか置いていない」「3Eしか置いていない」というケースが多々あります。
「ハルタを買ったけど痛くて履けない」という失敗の多くは、幅広の足なのに2Eを買ってしまったパターンです。
購入の際は、必ず中敷きのロゴやタグを確認し、「EEE」などの表記をチェックするか、店員さんに「これは3Eですか?」と確認することをおすすめします。
もし近くのお店に欲しいワイズやモデルがない場合は、ハルタの公式オンラインショップや、正規取扱店を利用するのが確実です。公式ショップでは、限定カラーや特別な素材のモデルも見つかることがあります。
出典・参考情報
HARUTAの製品ラインナップや正しいサイズ選びの基準については、公式サイトで詳細な情報が公開されています。
(出典:株式会社ハルタ 公式サイト)
百貨店でリーガルなどを試着する

最後にご紹介するのは、三越伊勢丹、高島屋、大丸といった百貨店の靴売り場です。
「通学靴にお金をかけるのはもったいない?」と思うかもしれませんが、百貨店での購入は「良いものを長く大切に使う」という教育的な側面や、品質への絶対的な安心感を求めるご家庭に選ばれています。
本格志向の「REGAL(リーガル)」
百貨店の学生靴売り場で主役となるのが「REGAL(リーガル)」です。価格帯はハルタの2〜3倍(15,000円〜25,000円前後)となりますが、それに見合うだけの理由があります。
リーガルの本格的な革靴は、「グッドイヤーウエルト製法」などの伝統的な技法で作られているものが多く、非常に頑丈です。
最大の特徴は、「履き込むほどに中底のコルクが沈み込み、所有者の足の形に完全にフィットしていく」という点です。最初は硬く感じるかもしれませんが、1ヶ月もすれば「自分だけのオーダーメイドのような履き心地」に育ちます。
また、ソール(靴底)が擦り減っても交換修理(オールソール交換など)が可能なので、手入れをしながら大学進学後や就職活動まで履き続けることも夢ではありません。
プロフェッショナルによるフィッティング
百貨店で買うもう一つの大きな価値は、「シューフィッター」と呼ばれる靴合わせの専門家が在籍していることです(店舗によります)。
「足の幅が左右で違う」「外反母趾の傾向がある」「甲が極端に高い」といった足の悩みを持つ学生さんの場合、既製品をただ履くだけでは痛みの原因が特定できないことがあります。シューフィッターは足を正確に計測し、どのブランドのどの木型が合うか、あるいはインソールでどう調整すれば快適になるかを論理的にアドバイスしてくれます。
入学祝いとして祖父母と一緒に買い物に行くイベントとして利用されることも多く、落ち着いた雰囲気の中でじっくりと「最初の一足」を選ぶ体験自体が、高校入学の良い思い出になるでしょう。
高校生のローファーをどこで買うか選ぶ基準

買う場所の目星がついたら、次は「数あるローファーの中から、具体的にどんな一足を選ぶか」というステップに進みます。
デザインが可愛い・カッコイイだけで選んでしまうと、入学式の翌日から激しい靴擦れに襲われ、絆創膏だらけの足で登校することになりかねません。
ここでは、ペルソナである私自身が、靴好きとしての視点と多くの学生さんの悩みを聞いてきた経験から、絶対に失敗しない選び方の基準を詳しく解説していきます。
痛くない幅広モデルやサイズ選び
ローファー選びで最も多くの人が陥る最大の罠、それが「サイズ選び」の失敗です。これを読んでいる皆さんに、これだけは覚えて帰ってほしい鉄則があります。
それは、「普段履いているスニーカーと同じサイズを買うと、大抵の場合ブカブカになって失敗する」ということです。
なぜスニーカーと同じサイズではダメなのか?
この現象には明確な理由があります。それは「サイズ表記の基準(捨て寸の扱い)」が異なるからです。
- スニーカー: クッション材が分厚く、足の実寸よりも0.5cm〜1.0cmほど余裕を持たせた作りになっています。表記サイズは「このサイズの足の人が履く目安」ではなく、靴そのものの大きさに近い感覚の場合もあります。
- 革靴(ローファー): JIS規格(日本産業規格)に基づき、「足の実寸(足長)」そのものを表記サイズとしています。つまり、24.0cmと表記されたローファーは、足の実寸が24.0cmの人が履くことを想定して作られており、靴の内部には既に「捨て寸(つま先の余裕)」が含まれています。
そのため、普段ナイキやアディダスのスニーカーで24.0cmを履いている人が、同じ感覚で24.0cmのローファーを履くと、実際には靴の中が大きすぎて、かかとがパカパカ抜けてしまうのです。
基本的には、普段のスニーカーサイズより0.5cm〜1.0cm(場合によっては1.5cm)小さいサイズから試着をスタートするのが正解です。「えっ、そんなに小さくて大丈夫?」と思うかもしれませんが、騙されたと思って試してみてください。
「ワイズ(足囲)」が快適さを決める
縦のサイズ(足長)と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「ワイズ(足の幅と甲の周囲)」です。ローファーは紐で締め上げて調整することができないため、このワイズが合っていないと、どんなに高級な靴でも地獄のような履き心地になります。
日本人の足は「甲高・幅広」が多いと言われていますが、最近の子供たちは足が細くなっている傾向もあり、一概には言えません。
足が幅広だという自覚がある方は、無理して細身の海外ブランドや2Eモデルを選ばず、「3E(広め)」や「4E(超幅広)」と表記されたモデルを積極的に選びましょう。
「MoonStar(ムーンスター)」や「Fuwaraku(フワラク)」といったブランドは、日本人の足に特化した幅広設計を得意としており、さらにクッション性の高いインソールを搭載しているため、「痛くなりにくいローファー」を探している方には特におすすめです。
試着は「夕方」に、「いつもの靴下」で
人間の足は、朝起きた時と夕方では大きさが変わります。重力の影響で血液や水分が下に降りてくるため、夕方には足がむくんで大きくなるのです。
そのため、朝一番にピッタリの靴を買ってしまうと、夕方にはキツくて痛くなる可能性があります。学校での滞在時間を考えると、試着は足がむくんでいる「夕方(16時以降推奨)」に行うのがベストです。
また、試着の際は、実際に通学で使用する予定の靴下(多くの場合、厚手のスクールソックス)を必ず持参してください。
薄手のストッキングや店舗の貸出用ソックスで合わせてしまうと、実際の着用時にキツくて入らないという悲劇が起きます。
女子におすすめの茶色やヒール
女子高校生のローファー選びにおいては、履き心地などの機能性だけでなく、「制服といかに可愛く合わせるか」というファッション性も極めて重要な要素です。
最近のトレンドや、スタイルアップのための選び方について見ていきましょう。
「黒」vs「茶色」色の選び方
かつては「ローファーといえば黒」一択でしたが、現在は「ダークブラウン(こげ茶)」や「ローター(赤茶色)」を選ぶ学生さんも非常に増えています。
- ブラック(黒): 王道にして最強。どんな色の制服にも合い、冠婚葬祭やアルバイトの面接など、フォーマルな場でも使える汎用性があります。汚れも目立ちにくいです。
- ブラウン・ローター(茶系): 足元が明るくなり、垢抜けた印象を与えます。紺やグレーのブレザー、チェック柄のスカートとの相性が抜群で、全体的に柔らかくガーリーな雰囲気になります。私服に合わせてコーディネートしやすいのも魅力です。
まずは学校の校則を確認し、「色の指定」がないかをチェックしましょう。もし自由であれば、制服の色味に合わせて選ぶのがおすすめです。
一般的に、制服が寒色系(紺・青)なら黒で引き締める、暖色系やベージュ系が含まれるなら茶色で馴染ませる、といった合わせ方が失敗しません。
スタイルアップの味方「ヒールアップローファー」
女子学生の間で根強い人気を誇るのが、ヒールが高めに設計された「ヒールアップローファー」です。通常のローファーのヒール高は2.0cm〜3.0cm程度ですが、ヒールアップモデルは4.5cm〜5.0cm程度の高さがあります。
この数センチの差が、脚を長く、スラッと見せる「美脚効果」を生み出します。背筋が伸びてスタイルが良く見えるため、憧れる学生さんも多いでしょう。
ハルタやリーガルでも専用のモデルが展開されています。
ただし、購入前には以下の点に注意が必要です。
ヒールアップモデルの注意点
- 校則違反のリスク: ヒールの高さに制限を設けている学校は意外と多いです。買った後に「禁止だから履いてくるな」と言われないよう、生徒手帳や入学案内を必ず確認してください。
- 前滑りの痛み: 傾斜がきつくなる分、歩いていると足が前の方に滑り落ち、つま先が圧迫されて痛くなることがあります。試着時にはいつも以上にフィット感を慎重に確認し、必要であれば「前滑り防止用のハーフインソール(ジェルパッドなど)」を最初から入れておくことを強く推奨します。
男子におすすめのスニーカー革靴
男子高校生の場合、ローファー選びには女子とはまた違った切実な悩みがあります。
それは「動きやすさ」です。今までクッション性の高いスニーカーで走り回っていた男子にとって、ソールが硬く、重く、屈曲性の悪い伝統的な革靴は、まさに「拘束具」のように感じられることがあります。
通学中に走ったり、昼休みに校庭でボールを蹴ったり(本来ローファーでするべきではありませんが!)と、アクティブに動く男子におすすめしたいのが、「スニーカーのような履き心地の革靴」という新ジャンルです。
「テクシーリュクス」という革命
このジャンルの代表格と言えるのが、アシックス商事が展開する「Texcy Luxe(テクシーリュクス)」です。
見た目は完全にフォーマルな本革のローファーですが、靴底(アウトソール)にはスニーカーと同じような発泡ラバー素材が使われており、中敷きも立体成型のカップインソールが入っています。
その特徴は以下の通りです。
- 圧倒的な軽さ: 一般的な革靴の2/3程度の重さしかなく、足への負担が激減します。
- 驚異の屈曲性: ソールがぐにゃりと曲がるため、スニーカーと同じ感覚で地面を蹴り出すことができ、本気で走れます。
- 脱ぎ履きのしやすさ: 履き口にゴムスリットが入っているモデルもあり、頻繁に靴を脱ぐ日本の学校生活に適しています。
各社から登場する高機能モデル
テクシーリュクス以外にも、ABCマートの「ホーキンス・プレミアム」や、チヨダの「ハイドロテック」など、同様のコンセプトを持つ「走れる革靴」は多数販売されています。
「革靴は硬くて痛いもの、我慢して履くもの」という固定概念はもう古いです。
特に運動部に入る予定で荷物が重くなる生徒さんや、自転車通学の距離が長い生徒さんには、伝統的な革靴よりも、こうしたハイブリッドな高機能シューズの方が、3年間のQOL(生活の質)を確実に高めてくれるでしょう。
雨に強い合皮と本革の違い

ローファーを選ぶ際、デザインと同じくらい重要なのが「素材」の選択です。主に「本革(天然皮革)」と「合皮(人工皮革・合成皮革)」の2種類があり、それぞれに明確なメリットとデメリットがあります。
どちらが良い悪いではなく、自分の性格やライフスタイルに合わせて選ぶのが正解です。以下の比較表を見てみましょう。
| 比較項目 | 合皮(人工皮革) | 本革(天然皮革) |
|---|---|---|
| 水への強さ | 非常に強い(雨の日も安心) | 弱い(水シミ、硬化の原因になる) |
| 手入れの手間 | ほぼ不要(汚れたら水拭き) | 必要(クリーム塗布、ブラッシング) |
| 足馴染み | 伸びにくい(最初から合うサイズが必要) | 抜群(履くほどに足の形になる) |
| 耐久性 | 表面劣化(加水分解など)が起きる | 手入れ次第で長持ちし、風合いが出る |
| 通気性 | やや蒸れやすい | 毛穴があり呼吸するため蒸れにくい |
| 価格帯 | リーズナブル(5,000円〜8,000円) | やや高価(8,000円〜20,000円以上) |
タイプ別のおすすめ素材
【合皮がおすすめな人】
「雨の日も気にせずガシガシ履きたい」「靴磨きなんて面倒くさいことは絶対にしたくない」「泥汚れがつきやすい環境を通学する」という方は、迷わず合皮を選びましょう。
最近の合皮は技術が進化しており、見た目では本革と見分けがつかないほど質感が高く、安っぽさは全くありません。
ハルタの合皮モデル(#4514や#6550)は非常に丈夫で、多くの高校生が愛用しています。
【本革がおすすめな人】
「ものを大切に手入れして使う習慣をつけたい」「足の汗っかきで蒸れるのが嫌だ」「最初は痛くても、自分の足に吸い付くようなフィット感が欲しい」という方には本革がおすすめです。
本革の靴は、履き込むことで革の繊維がほぐれ、持ち主の足の凹凸に合わせて変形します。半年もすれば「自分だけのオーダーメイド」のような履き心地になり、愛着もひとしおです。入学祝いとしての特別感も本革の方が高いでしょう。
きつい靴擦れを防ぐ対処法
新しいローファーをおろした直後の「靴擦れ」は、多くの高校生が通過する試練のようなものですが、できれば避けたいですよね。かかとの皮がむけて血が滲む痛みは、楽しい新生活に水を差します。
靴擦れを最小限に抑えるためには、購入後の「慣らし」と事前の物理的な対策が有効です。
絶対にやってはいけないこと
最も避けるべきなのは、「入学式の当日に、箱から出したばかりの新品を履いていきなり長時間歩くこと」です。
新品の革靴(特に本革)はまだ硬く、足の動きについてきてくれません。この状態で無理に歩くと、かかとや小指に強烈な摩擦がかかり、確実に靴擦れを起こします。
「慣らし履き」のスケジュール
購入したら、入学式の1〜2週間前から以下の手順で足を靴に慣らしていきましょう。
- 室内履き: まずは家の中で、厚手の靴下を履いて靴に足を入れ、テレビを見たり勉強したりして過ごします。体温で革が温まり、少しずつ柔らかくなります。
- 近所への外出: 次に、コンビニやゴミ出しなど、5分〜10分程度の短い距離を歩いてみます。ここで痛む箇所があればチェックしておきます。
- 距離を伸ばす: 徐々に歩く距離を伸ばし、屈曲部分(指の付け根)にシワを覚え込ませます。
特に本革の場合、「デリケートクリーム」などの保革クリームを内側から塗ることで、革の繊維を柔軟にし、足当たりを優しくする裏技もあります。
物理ガードで先手を打つ
慣らし履きで「ここが当たりそうだな」と感じた場所(主にかかと、くるぶしの下、小指の外側)には、入学式当日の朝、痛くなる前に予め絆創膏や専用の保護テープを貼っておくのが賢い方法です。
「痛くなってから貼る」のではなく「痛くなる前に貼る」のが鉄則です。
また、最近では100円ショップやドラッグストアで、靴のかかと内側に貼り付ける「ジェルパッド」や「クッションシール」が手軽に手に入ります。
サイズが微妙に大きくてカカトが浮いてしまう場合にも、これらのパッドは隙間を埋める調整役として役立ちます。こういった便利グッズをうまく活用して、痛みのない快適な通学ライフをスタートさせてください。
高校生のローファーをどこで買うべきか総括
ここまで、購入場所ごとの特徴や選び方の基準を詳しく見てきました。最後にまとめとして、あなたのタイプ別に「どこで、何を買うべきか」の最適解を整理しておきましょう。
あなたに最適な購入ルートは?
- 「失敗したくない・王道を行きたい」あなた:
迷わず「ABCマート等の靴専門店」へ行き、「HARUTA(ハルタ)」のローファーを試着してください。店員さんにサイズを見てもらえば間違いありません。 - 「コスパ最優先・成長期ですぐ買い換える」あなた:
「イオンやイトーヨーカドー」の靴売り場で、プライベートブランドのローファーを選びましょう。安くても必要十分な機能は揃っています。 - 「納得いくまで家でサイズを比べたい」あなた:
「AmazonのPrime Try Before You Buy」を活用してください。23.5cmと24.0cm、2Eと3Eなど、気になるサイズを全て取り寄せて履き比べれば、店舗以上の納得感が得られます。 - 「快適性・機能性を重視する」あなた:
男子なら「テクシーリュクス」、女子なら「Fuwaraku(フワラク)」や「セダークレスト」の洗えるローファーを指名買いしましょう。これらは専門店や量販店、ネット通販で購入可能です。 - 「一生モノとして大切に履きたい」あなた:
「百貨店」へ行き、シューフィッターのアドバイスを受けながら「REGAL(リーガル)」の本革モデルを選びましょう。手入れをしながら履く経験は、大人の嗜みを学ぶ良い機会になります。
高校生活の3年間(あるいはそれ以上)、毎日あなたの体重を支え、通学の道のりを共にするのがローファーです。
たかが靴、されど靴。
ぜひ「どこで買うか」と同じくらい「自分の足に合っているか」「自分の生活スタイルに合っているか」を大切にして、あなたにとってベストな一足を見つけてくださいね。足元が快適なら、学校生活はもっと楽しくなるはずです。
素敵な高校生活になることを、心から応援しています!